「赤い薬」と雨のおすし

7時30分起床。起きてすぐ「お腹すいた〜」と。

私の朝ごはんを一緒にチンしに行って時間稼ぎ。戻ったらちょうど病院の朝ごはんが来て、一緒に食べ始める。今日はすごくお腹が空いていたのか(ステロイドの影響?)、普段は手をつけないお味噌汁も全部飲み、牛乳もゴクゴク。

キッコーマンの豆乳バナナは開封後すぐならOKと許可をもらったので、朝の酸化マグネシウムを溶かしたお茶と交互に(わんこそば方式で)飲ませる。

歯磨きのあと、病棟内をお散歩。廊下の端にある大きな窓から、大雨で坂道を川のように流れる水を眺める。

「雨が川みたいになってるね」と私が言うと、まるくんが「おすしみたいじゃない?」と一言。

よく見ると、確かに波が回転寿司のお皿みたいに流れていて、思わず笑ってしまう。子どもの発想って本当におもしろい。

ふと、「もうすぐ髪の毛が抜けるのかな…」と思い、胸がぎゅっとなる。覚悟ができていないまま、でも治るためにはやるしかない治療。流れるように日々をこなしている自分がいる。

その後は遊び場でおもちゃ遊び。まるくんも退屈していないみたいでよかった。

そして今日も点滴がつながれて、抗がん剤治療がスタート。頑張るのはまるくんだけど、私も家族も一緒に頑張っている。

今日の薬は「ダウノマイシン(赤い薬)」。

小児急性リンパ性白血病の導入療法で使う抗がん剤で、がん細胞のDNAを壊して増殖を止める薬。副作用で脱毛や吐き気、心臓への影響もあるから、投与量はきっちり管理されているそう。

鮮やかな赤い液体がチューブを流れていくのを見ながら、改めて病気と闘っていることを実感する。

投与後も、比較的いつも通り過ごせた。少し疲れた様子はあったけど、吐き気もなく、プレイルームで遊ぶ元気も。

担当医によると「治療中は意外と元気な期間の方が長い」らしい。

夜はしっかりごはんを食べ、すっと眠った。

早く元気になって、家族みんなでお家で過ごせる日が来ますように。

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