夜、添い寝をしていると、まるくんがそっと私の肩に手を乗せてきた。
その小さな手のぬくもりに、思わず胸がぎゅっとなった。
私はまるくんのおなかを、ポンポンと優しくなでる。
目を閉じて、静かに、すやすやと眠るまるくん。
ちゃんと息をして、穏やかに眠っている――その姿が、たまらなく愛おしかった。
当たり前だったはずの日常が、どれほど温かくて、幸せで、尊いものだったのか。
なくしそうになって、ようやく改めて気づかされた。
まるくんが生まれたとき、
「この子だけは、どんなことがあっても守り抜こう」
そう心から誓ったのに、
いつの間にかその気持ちは、毎日の中に溶けて、
幸せな日々が“普通”にすり替わっていたんだと思う。
――また絶対、おうちに帰りたい。
家族4人で、いつものようにごはんを食べて、笑って過ごしたい。
じぃじばぁばにも会わせてあげたいし、一緒に思いきり遊ばせてあげたい。
わがままを言ってくれることも、
「これで最後ね」と絵本を読み終わったあとに「もう一冊!」とねだられることも、
今は、全部ぜんぶ、叶えてあげたくなる。
どうか、どうか、また元気になりますように。
明日は、骨髄検査。