入院3日目

夜、添い寝をしていると、まるくんがそっと私の肩に手を乗せてきた。

その小さな手のぬくもりに、思わず胸がぎゅっとなった。

私はまるくんのおなかを、ポンポンと優しくなでる。

目を閉じて、静かに、すやすやと眠るまるくん。

ちゃんと息をして、穏やかに眠っている――その姿が、たまらなく愛おしかった。

当たり前だったはずの日常が、どれほど温かくて、幸せで、尊いものだったのか。

なくしそうになって、ようやく改めて気づかされた。

まるくんが生まれたとき、

「この子だけは、どんなことがあっても守り抜こう」

そう心から誓ったのに、

いつの間にかその気持ちは、毎日の中に溶けて、

幸せな日々が“普通”にすり替わっていたんだと思う。

――また絶対、おうちに帰りたい。

家族4人で、いつものようにごはんを食べて、笑って過ごしたい。

じぃじばぁばにも会わせてあげたいし、一緒に思いきり遊ばせてあげたい。

わがままを言ってくれることも、

「これで最後ね」と絵本を読み終わったあとに「もう一冊!」とねだられることも、

今は、全部ぜんぶ、叶えてあげたくなる。

どうか、どうか、また元気になりますように。

明日は、骨髄検査。

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